個人塾講師vsサラリーマン塾講師

川島 敦典 川島 敦典

こんにちは!

久しぶりの投稿です。
私は普段自分の塾については「てらこや広場」でブログを書いていますが、
こちらでは塾の運営に関するあれこれを書いていきたいと思います。

⇒てらこや広場はこちら

読んでいただくのは塾をお探しの保護者様。
さらには同じように塾運営している塾経営者様が想定されます。
したがって、それらの方に有益な情報を小出しにできればと思います。

例えば…
・塾の合格実績について
・塾の費用について
・正社員とアルバイト講師について
・これからの塾業界について

などなど、基本的に営業トークは避けて嘘は書かないつもりです。

個人塾経営歴19年で学んだ一般論を書いていきたいと思いますが、もちろん私個人の意見なので、時代とともに変化したり当てはまらない例外もあったりすることをご承知の上、お読みください。

さて、今回のテーマは…

個人塾講師vsサラリーマン塾講師

気になるテーマかと思います。
保護者目線だと、個人塾がいいのか大手塾がいいのか。
必ず考えるところですよね。

また、これから塾業界に飛び込もうとしている若者からしても
どちらがいいのだろう?と思うところでしょう。
今回は、私が仮に今から塾業界に飛び込むのなら…という視点で書いていきます。
それを書くと自ずと保護者様にも有益な情報になるかと思います。

私がもし若者なら…

貯金など資本がほとんどないことを前提とします。
実際、私が開業したときは貯金が100万円もありませんでした。

さて、そんな状態で私が若者なら、個人塾の開業を選ばないかもしれません。

何も経験のない大学出たての頃だと、右も左もわからず思わず塾を開業してしまうかもしれません。しかし、現在の社会状況で極貧の状態で開業しても多分うまくいかなかったでしょう。

そう、私はたまたま運が良かっただけなのです。
19年前の26歳で開業した頃はインターネットの黎明期で、素人の自分でも特別なことをすることができました。なにせHPを作るだけでも特別なことで、お客さんがどんどん来た時代です。いい時代でした(笑)

今では塾がHPをもつのは当たり前で、HPを作ったくらいでは差別化ははかれず、指導の中身や実績をしっかり見られています。今のようなインターネットが当たり前になった時代だからこそ、集客は年々難易度が上がり専門的になってきています。

では、サラリーマン塾講師になるのか

サラリーマン塾講師とは、塾の正社員となり給与で生活する講師です。
大手塾・中小塾など規模も様々で、集団指導・個別指導・自立型指導など指導方法も様々。業務も自ら指導するだけでなくアルバイト講師のマネージメントをすることもあります。

このような仕事をするのか?
結論から言うと、これも私が若者なら選ばない、特にFCの教室長や正社員を多数抱えている規模が大きすぎる塾は選ばないでしょう。なぜなら出世できないからです。

なぜ出世できないのか。
皆さんもご存知かと思いますが、これから5年10年で極端な少子化が進み地域の生徒数が激減します。すると、既存の塾間で少ない生徒の取り合いとなり(すでになっていますが)、経営者は従業員講師に十分な給与を与えられなくなります。コロナ禍でさらに少子化に拍車がかかっているのは塾経営者として恐怖ですね…。15年後には大変なことになっているでしょう。

また、すでに大きくなっている塾は30~50代の出世している役職が多数いて、その人たちの給与を維持することで精いっぱいです。そのような大きな塾に務めると、そうそう出世はできず給与も上がらず働きアリとなって貴重な20代を潰してしまうことでしょう。

もちろん例外もある

・相当な指導スキルがある

予備校講師の道も考えられます。が、こちらも既に多くの講師がいて、競争は相当激しいです。大手塾の中でもしかり。腕に自信があるのなら、一度どこかの塾で修行をして「独立をする」という選択肢が有力です。しかし、その独立後もとても厳しい経営環境が待っていることは覚悟しておかなければなりません。

・資本がある

日本は資本主義です。資本があるほど有利になっています。ある程度、貯金や教室となる場所や建物を保有しているのなら開業しやすいでしょう。なお、資本がなくても活用できる仕組み、例えば日本政策投資銀行の融資や、助成金・補助金を活用することも考えられますが、それらも無制限にあるわけではありません。また、人脈やアイデアも資本の一つです。お金・人・アイデア、これらが無いのなら塾開業は難しく、サラリーマン塾講師になっても一時しのぎにしかなりません。そもそも、これから縮小間違いなしの塾業界に投資をするのは、相当覚悟が必要です。

・これから地域で一番になりそうな塾に就職する

勢いのある塾ならそうそうつぶれることはありません。いくらAIが発達しても、人と関わる教育業は、指導方法は変われど無くなることはないでしょう。また塾長の理念がしっかりしている塾も信用もできます。重要なのは、優秀な正社員が多すぎないこと。多すぎると前述の出世できない組織に入ってしまうことになります。勢いがある塾で、優秀な正社員に自分がなれる!というのなら、その塾に就職するのもいいかもしれません。

じゃあ、塾ってどういう人がすればいいの?

・情熱がある人

・変化する時代の中で「変化する努力」を継続できる人

・キャリアプランが明確な人

個人塾を開業するにしても、サラリーマン塾講師になるにしても、相当な覚悟が必要な時代です。逆に、上の3つを満たしているような塾講師は信頼できる方で、保護者としても我が子をこのような方に預けることができればと思うはずです。

例えば、HP・ブログ・SNSなどをこまめに更新している塾
これは変化に対応できる塾・変化する努力を継続できる塾で、預ける方も安心です。
時代が変わるにつれ大学入試も変わる時代です。新しい仕組みや指導方法を考え、それを素早く実行できる塾。周りの流行っている塾を見るとそういう塾が多いと思いませんか?

情熱がある人はわかりやすいです。子どもをしっかり導くようなリーダーシップのある人、他人の成長を喜べるような人もこの業界に向いています。逆に、自分のことばかり考える人は向いていません。

キャリアプランが明確とは、塾業界の将来について縮小することを理解できていて、その上で自分の人生設計ができている人にはいいと思います。例えば、22歳で塾業界に就職して、30歳くらいに独立したい(うちはそういう人材は歓迎ですが、独立は困る!というところが多いかも笑)という方や、30歳までに公務員試験に挑戦するなど。

あのトヨタ自動車ですら終身雇用をやめると言っているのですから、サラリーマン塾講師をずっと続けられる時代ではなくなりつつあると言えます。

結局、個人塾にしてもサラリーマン塾講師にしても、大変な時代になりつつある、
ということが言いたかったのです(泣)

塾業界に限らず大変な時代になってきました。
てらこやは来年2022年で20周年を迎えますが、ここまで続けられたことに感謝します。次回も塾運営に関しての記事を投稿したいと思います。ご期待ください!

この記事を書いた先生

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